コンベックス、蛤刃、笹刃…シザーの刃の形状を完全解説
「コンベックス」「蛤刃」「笹刃」——シザーを選ぶときに目にするこれらの言葉、正確な違いを理解していますか?刃の形状はシザーの切り心地を根本的に決定する要素です。ここで完全に理解しましょう。
刃の形状とは何か
シザーの刃を断面で見たとき、その輪郭(刃付けの形)が「刃の形状」です。主に次の3種類があります。
- コンベックスエッジ(蛤刃)
- フラットエッジ(笹刃・ベベルエッジ)
- セレーションエッジ(波刃)
それぞれを詳しく見ていきましょう。
コンベックスエッジ(蛤刃)
最も広く普及しているプロ用シザーの刃形状です。「蛤(ハマグリ)」の断面に似た丸みを持つ研ぎ方から、日本では「蛤刃」とも呼ばれます。
特徴:
- 刃の断面が緩やかなカーブを描いており、断面積が最も小さい
- 毛髪との接触面積が少ないため、抵抗が少なくスムーズに切れる
- ウェットカット・ドライカット両方に対応
- スライドカット・チョップカット・ブラントカットすべてに使える
向いている人:
- プロの現場で幅広い技術を使うスタイリスト全般
- 初めてのプロ用シザーを選ぶ方
注意点:
- 研ぎには専門の技術と砥石が必要。ホームケアでの研ぎには不向き
コンベックスエッジは「切れ味が命」のシザーです。Ichiro ShearsおよびMina Shearsのほとんどのモデルに採用されています。
フラットエッジ(笹刃・ベベルエッジ)
刃の断面が平らな「斜面」を持つ研ぎ方。断面が「笹の葉」に似ていることから日本では「笹刃」とも呼ばれます。また「ベベルエッジ」「セミコンベックス」とも呼ばれることがあります。
特徴:
- 刃先の角度が明確で、スライドカット(引き切り)との相性が非常に良い
- コンベックスより耐久性が高く、セルフメンテナンス(革砥での仕上げ)が可能なケースも
- 切り抵抗がコンベックスより若干あるが、それがスライドカットの「引き」を助ける
向いている人:
- スライドカットをよく使うスタイリスト
- セルフメンテナンスを重視する方
注意点:
- ウェットカットのブラントカット(ずんどうに切る)は、コンベックスに比べると抵抗が出やすい
セレーションエッジ(波刃)
刃に細かいギザギザの波打ちが施された刃形状。「マイクロセレーション」とも呼ばれます。
特徴:
- 毛が刃から逃げにくく、ウェットヘアでのカットでグリップが増す
- 切れ始めの抵抗が少ない
- 刃が鈍くなっても切れ味が維持されやすい(ギザギザがフックする)
向いている人:
- エントリーレベル、学生
- ウェットカットメインで切れ味持続を重視する方
注意点:
- スライドカットには向かない(ギザギザが毛を引っ掛けてしまう)
- ドライカットにも不向き
- コンベックスに比べると切れ味そのものは劣る
剣刃(けんば)について
一部の高級シザーに見られる「剣刃」は、刃先が鋭角に尖った形状です。断面はコンベックスに近いですが、エッジがより薄く研がれています。
- 厚い毛束をパワーカットする際に真価を発揮
- 理容師のバーバーカットに多く見られる
- 非常に鋭利なため、扱いには習熟が必要
まとめ:どの刃形状を選ぶか
| 用途 | おすすめの刃形状 |
|---|---|
| ウェット・ドライ全般 | コンベックスエッジ |
| スライドカット重視 | フラットエッジ(笹刃) |
| エントリー・学生 | セレーションエッジ |
| ドライカット専門 | コンベックス or 笹刃 |
| バーバー・厚い毛束 | 剣刃 or コンベックス |
ほとんどのプロスタイリストにとって、コンベックスエッジが最初の選択肢となります。詳しくはお近くのディストリビューターにご相談ください。